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2016f/w バイヤー座談会 vol.3

今シーズンもこの季節がやって来ました・・・!!
guji online の人気企画「バイヤー座談会」も今回で早や3回目となりました。 回を重ねるごとに岩佐・高階の弊社バイヤー陣の舌が滑らかになってきており、お伝えできる内容が充実してきているようなきていないような・・・というところですが、今シーズンのお買い物にほんの少〜しでもお役にたてればという思いが詰まっておりますので、是非ご一読下さいませ〜!!

それでは今回も宜しくお願いします。


バイヤー岩佐(以下岩佐):宜しくお願いします。

バイヤー高階(以下高階):宜しくお願いします。

まず、昨シーズン(2016S/S)を振り返ってみていかがでしたか?


岩佐::昨シーズンは弊社的にかなりトピックスの多いシーズンでして、実は意外と激動のシーズンだったんですよね。設立10周年を記念する別注商品を多く展開したり、balcone di gujiやlaboratorio di gujiのオープン、更にJACOB COHENの販売代行をスタートしたりと、本当に目まぐるしいシーズンでした。(汗)

高階:しかも2月、3月に集中していたので、スタッフもバタバタと動き、はっきり言って僕たちの会社の規模を越えたアクションだったと思います・・・。(疲)
正直店頭でお客様にご不便をおかけしたこともあると思いますし、本当に申し訳ございませんでした。
・・・が、その分かなり鍛えられたと思いますし、この秋は万全の体制で臨むことが出来ていると思いますので、期待して頂いて大丈夫だと思います!!

別注シルエットのINDIVIDUALIZED SHIRTSをチェック



なるほど、わかりました。では毎度の質問でアレなんですが、今シーズンのトレンドの流れやテーマ的なものを教えてください。


岩佐:ひとことで言うと、「エレガント志向」というところがキーワードでしょうか。全体的なスタイリングはかなりクリーンなイメージへとシフトしており、単純なスーツ回帰やクラシック回帰といったシンプルな構図ではなく、多様なテイストを織り交ぜながらトータルとしてキレイ目な方向へと進んでいますね。
カジュアルなスタイルの中にもドレスに通じるディティールが盛り込まれていたり、アウターやコートの着丈が少し長くなったりという感じで確実に変化しています。

高階:僕たちgujiとしてはトラッドでありつつモード感やストリート感のあるスタイルをお勧めしていきますが、イタリアではよりサルト仕立てのディティールを全面に押し出したスタイルも人気があるようで、ナポリブランドもかなり元気です。

岩佐:僕たちは南イタリア的なコテッとしたスタイルも好きなんですが、今はもう少し都会的に洗練されたスタイルを提案していきたいと思っていまして、TAGLIATORELARDINIは中心のブランドとして引き続きおすすめしていきますが、コーディネートのアイテムとしてパリやイギリス、アメリカなどの空気を感じさせるものも積極的にセレクトしています。まず、イタリアの今をしっかりとgujiカテゴリーで提案し、春にスタートしたbalconeではストリートを意識した提案を行うことでテイストの棲み分けを行いつつ、全体として新しさのあるスタイリングになるようにしています。

高階:たとえば、TAGLIATOREのインナーとしてBARBAFinamoreという鉄板スタイルも良いですが、今季新しく取り扱いをスタートしたアメトラの雄INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディヴィジュアライズド シャツ)を持って来たり、上品なスタイルの中にミリタリーテイストを盛り込んでみたり・・・といった感じでしょうか。
本来であればデニムやチノなどで合わせるアイテムをクラシックなジャケットで合わせてみたり、ダメージ感のあるパンツも綺麗にリペアを施し、上品な雰囲気でのコーディネートをお勧めしています。

岩佐:カジュアルでもタイドアップしたり、セットアップや2ピーススタイルも引き続きお勧めということで、かなり多様な雰囲気ですが、全体のイメージはかなり上品です。数年前のトレンドと比べると世界的にもスタイリングが成熟してきていて、ちょっと難しく、わかりづらく感じられるかもしれませんが、元々のイタリア的なスタイルをベースにどこかに違ったテイストやニュアンスを加えるという感じですので、是非店頭でお試しになってください。何かありましたら僕達やスタッフがお答え致します。

バイヤー岩佐のドレスシャツもセミワイドへ・・・



特徴的なディティールや、細かな変化はありますか?


岩佐:実は今はかなり大きな過渡期に差し掛かっていると思います。パンツのシルエットはタイト一辺倒から確実にワイドの勢力が伸びてきて、腿にゆとりを、裾はシャープにというキャロットシルエットも含めると大きくシェアを伸ばしていますし、シャツの襟型もワイド〜カッタウェイというイタリア感の強いものから少し小ぶりなセミワイド、レギュラー、ショートポイントのボタンダウンやラウンド、タブカラーといったスッキリしたものの兆しが感じられます。
僕たちは以前からFinamoreやBaguttaGUY ROVERなどで展開していましたが、遂に日の目を見る時が来たという感じで感無量です。

高階:Pittiや海外の展示会、日本の営業担当者の方のスタイルをみてもその辺りの流れが顕著に感じられますね。あとはやっぱりパンツはプリーツ入りが絶対に来ています。このムーブメントは絶対に間違いのないものだと思いますし、昨シーズン「パンツ戦線に異常あり」でもお伝えした通り、既に弊店ではかなり人気が高まっています。
ブランドで言うとBERWICHVIGANOCellarDoorといったところが注目されていますし、老舗のINCOTEXなんかも凄く良いプリーツパンツを提案していて、カジュアルだけでなくビジネス、ドレススタイルでもプリーツ化の波は進んでいます。

岩佐:足元にスニーカーを取り入れ出したあたりからカジュアル化が進んでいましたが、その反動というよりは更にそれが進化して、いかにキレイなスタイルにまとめつつクラシック、トラッド、モード、ワーク、ミリタリーのテイストをミックスするかというところがカギになっていますね。

THE GIGIINCOTEXもプリーツパンツを提案しています



結構な変化が起きているんですね・・・。確かに海外のスナップを見ても、ちょっと雰囲気が変わっているような気がしますね。


岩佐:そうですね、その手のスナップに登場するような人は業界人ばかりでかなり洒落た人が多いので、やっぱり必然的に取り入れるのが早いと思います。ちなみに日本人の名誉のために言いますが、海外スナップに日本人があまり登場しませんが、実際は凄くお洒落だと思いますし、Pittiで見かける同業の方々なんて、本当に格好良いです。
ただ、たま〜に凄まじい洒落者が外国人の中に混じっていて、その方が牽引するイメージが大きいのかな・・・とも思っています。本当に日本人のファッションって、凄く早くて格好良いんですよ!!

そうなんですね、ちょっと嬉しいですね!!では、お勧めや注目のカラーを教えてください。


高階:色合いは昨シーズンからかなり引き継いだ流れになっています。この春、サファリやミリタリーといったアーシーなカラーが中心でしたが、この秋冬もほぼ同じです。ただ、やはり秋冬なのでトーンは落ち着いていますね。
ベージュはキャメルやブラウンにオリーブは少しダークになったりしていますし、全体的にスモーキーな雰囲気になっています。

岩佐:gujiではそれプラス、「グレー」を裏のキーカラーとして提案しています。ライトではなくミディアムからチャコールといったダークなトーンを中心にセレクトしていまして、ここはブラックからの流れになっています。
モードなブラックではなく、墨黒っぽいものやグレイッシュな感じでしょうか。オリーブやブラウンにもグレーの要素が入った中間色的な物も多くセレクトしていますので、ズバリの色はちょっと気恥ずかしいかな・・・という方にもエッセンスを楽しんで頂けるようにしています。

差し色的なものはどうでしょう?


高階:今シーズンは特にないですね。ただ、次の春はオレンジ系やレンガ色系など、少し発色の良いカラーを提案しているブランドが多かったので、ちょっと先の話になりますが、そういったところでしょうか。ジャケットやジレのチェックの中でその手の差しが入ったものを選ばれても先取り感があって良いかもしれませんね。

バイヤー高階のモックネックもオリーブ・・・というか、二人とも全身オリーブですね・・・(汗)



では、お勧めのブランドを教えてください。


岩佐:これも毎度のブランドなんですが、やっぱりTAGLIATORE、LARDINIは外せないブランドです。
ここはトレンドの行方を占う上でも非常に重要なブランドでして、もはや重鎮のようなイメージでしょうか。正直名前を挙げるのもどうかというくらいのレベルですが、挙げないと人気が陰っているのかな・・・と思ってしまわれるかもしれませんので・・・(汗),確実にgujiの3番、4番バッターです。
加えてDe Petrillo。ここは本当に製品の空気感が良くて、格好良いです。プライスも絶妙に整っています。
シャツではFinamore、BARBAの両巨頭に加え、じわじわ人気が高まっているMaria Santangeloと先程の話に出てきたニューブランドのINDIVIDUALIZED SHIRTSなんかがアイコニックですね。
パンツは安定のSIVIGLIAに加え、BERWICH、VIGANO、CellarDoorというところでしょうか。

鋭い眼光でDe Petrilloのジャケットを見るふたり



あまり変わっていないような・・・(汗)


高階:もちろん力のあるブランドばかりなので、そうやすやすと力関係が変わることはありませんし、商売的にも大きなオーダーになっています。が、そういう誰しもが・・・というブランドではなくスパイス系のお勧めブランドでしたら、やっぱり一番手はCOVERTですね。トータルの雰囲気が凄く洗練されていて、アメカジやミリタリーの雰囲気を凄く都会的に表現しているブランドです。
フレンチシルエットをベースにクリーンなワークテイストのあるニューブランドのSUNNEIも良いですし、クラシコ仕立ての最高峰paideiaのスーツも最高に格好良いですよ。意外なところでBARBAのジャケットもよく出来ています。ジャケット工場を傘下に入れ、自社で丁寧に作っているので凄く好感が持てます。

岩佐:これからの季節はHERNOも見逃せませんし、CeralaccaSERAPHINなんかのムートン系のアウターも近年最高の出来だと思います。SalottoではRING JACKETISAIA、そしてBelvestが素晴らしいですし、要するに今シーズンも最高のオーダーが出来たということでしょうか。

世界最高品質のSERAPHIN



なるほど、既存のブランドを手厚く取り揃えることが出来、さらに新しいブランドも加えて更に盤石の体制になったと・・・。


岩佐・高階:その通りです!!

ちなみに、今シーズンのベストバイを一点選んで頂けないですか?


岩佐:難しい質問ですね・・・。すべて納得のオーダーなんですが、敢えて一つ上げるとするならば、paideiaでしょうか。フルキャンバスの構築的な仕立てでありながらイタリアらしいやわらかさがありますし、なんといっても生地のセレクションが素晴らしいです。是非一度店頭でご覧頂きたいアイテムでして、半端ないオーラを漂わせています。

纏うオーラが違います



高階:僕はSUNNEIですね。まだまだ知名度の低いブランドですが、新しいストリートの雰囲気を感じさせてくれますし、オーバーサイズ気味のシルエットが僕達でも着られる絶妙な塩梅なんです。オーバーサイズが過ぎると若々し過ぎて着られないんですが、SUNNEIだったらリアルに着られますし、作り手のセンスの良さがアイテムに現れています。

斬新なのに着てみたくなる魅力があります



ということで、今回も約1時間にわたって語って頂きましたがいかがでしょうか?
今シーズントレンドの変わり目になっている事、アイテムのディティールに変化が起きていることなど、スタイリングする上で気になるポイントをいくつか聞くことが出来ましたので、少しはお役に立てたのでは・・・と思います。(汗)
より詳しくは店頭のスタッフまで、またはメールでもお気軽にお問い合わせくださいね。
では、今シーズンもgujiの世界観を是非お楽しみくださいませ〜!!




[gujiバイヤー陣が今シーズンのトレンドの流れやテーマを語るバックナンバー]

vol.1

gujiバイヤー座談会 vol.1

vol.2

gujiバイヤー座談会 vol.2

vol.3

gujiバイヤー座談会 vol.3




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