what's guji…

バイヤー座談会 vol.1

来たる2016年に十周年を迎えるgujiですが、なんとか洋服業界の荒波を乗り越え、これからも皆様にご支持頂けるshopでありたいとの思いから企画された、題して「gujiバイヤー座談会vol.1」。

今までバイヤーの声を直接お届けすることが難しかったonline shopの為に、育児やスポーツ観戦で多忙を極めるバイヤー陣に2015年Fall & Winterの世界的なトレンドと、それを受けてgujiとして提案するスタイルやブランド、キーカラー、加えて別注アイテムに至るまで語り尽くして頂きました。

京都のいち地方店の枠を飛び越えて、日本中、そして世界に羽ばたきたい!!・・・という絶妙に壮大な野望を持ち続ける夢見るバイヤーの胸中や如何に!?

では、本日は宜しくお願いします。


バイヤー・MD 岩佐(以下 岩):宜しくお願いします。

バイヤー・MD 高階(以下 高):宜しくお願いします。

まずは、2015F/Wシーズンの世界的なトレンドの流れをご説明頂けますか?


岩佐::そうですね、大きな流れとしては昨年から引き続く傾向なんですが、確実にキレイ目でシックなスタイルへと進んでいます。たとえば、大柄で強い発色のチェックは少なくなり、より落ち着いた、クラシックなテイストのものへシフトしています。洗いや染めなどの加工も一目でそれとわかるものではなく、あくまでも上品に仕上がるよう工夫されています。

高階:キーカラーはブラウンですね。僕たちもブラウンはメインカラーのひとつとしてとらえており、ひとくくりにブラウンといいましたが、ベージュからダークブラウンまで、アーシーな発色のものが一つの大きな流れになっています。そして、そういった中にオリーブやボルドーなどを差し込むというのがメインのカラーパレットになります。とはいっても、あくまでもベースとなるのはネイビーとグレー。そういった定番のカラーはジャガードやツイードなどのタッチが特徴的な素材での提案が多く、多素材混紡でトーンを変えた色の糸を使用するなどかなりこだわった生地が多く見られました。

画像04



なるほど。かなり落ち着いた印象になりそうですね。いわゆる「イタリアン」的なスタイルは少なくなってきているんですか?


岩佐:頑なにクラシックを守るshopは変わらずのスタンスですが、多少なりともトレンドを加味するshopは様々なテイストをミックスしたスタイルを提案しています。Pittiなどに来場されるバイヤーのスタイルを見ても、スーツのインナーにカットソーを合わせたり、スニーカーを合わせたりと確実にドレススタイルのカジュアル化が進んでいますし、皆さんもスナップサイト等でご覧になられているのではないでしょうか。

高階:僕たちの提案もまさにそのような感じでして、今までのイタリア的なスタイルをベースに、モード、ストリート、スポーツなどのエッセンスを加えた新しいミックススタイルを目指しています。とはいえ、ビジネススタイルもしっかりと提案するために、まずはguji内でセクションを分け、特にビジネススタイルに特化したsalotto di guji(サロット ディ グジ)を2014S/Sよりスタートしたんです。

画像05



そのような経緯があったんですね。そうしてビジネススタイルとの明確な境界線を設けることでよりアグレッシブにスタイルに変化を付けることが出来る・・・ということでしょうか?


高階:そうですね。実際ビジネスシーンではちょっと・・・なスーツスタイルも多くなってきていますので、しっかりと別けて考える方が自然な流れだったんです。もちろんビジネススタイルにもトレンドはありますので、salotto di gujiでもエグゼクティブなビジネススタイルをキーワードにシーズン毎に提案を変えています。



では、今シーズン(2015F/W)のgujiのコンセプト・お勧めのスタイルやブランドを教えて頂けますか?


岩佐:僕たちは自他ともに認めるミーハー集団だと思っていますので、「gujiはミーハーであれ」を合言葉に、トレンドを受け入れた上でしっかりと消化し、より独自性を高めたスタイルを提案していくつもりです。象徴的なブランドとしてはTHE GIGI(ザ ジジ)や新規ブランドでトータルルックでオーダーしているCOVERT(コーベルト)、クラシックな手法で紡ぎだされるモダンなパンツブランドCellar Door(セラードアー)などでして、既に人気の高いLARDINI(ラルディーニ)TAGLIATORE(タリアトーレ)と合わせることで新しい変化を付けることが出来るアイテムをセレクトしています。

高階:決して今までのスタイルを捨てるわけではなく、それをベースにしているところがポイントです。たとえば、LARDINIのジャケットにFinamoreのシャツ、CrucianiのカーディガンにSIVIGLIAのパンツという僕達もさんざんお勧めしてきた王道のスタイルを、ちょっとシャツをクルーネックニットに変えてみようとか、パンツをプリーツ入りのメリハリのあるシルエットに変えてみようとか、簡単に言うとそんな感じです。ただ、そのアイテムに少しストリートのエッセンスやパリの香り、モードの雰囲気を加味することで今までより未来に一歩踏み込んだスタイルを目指しています。



なるほど。セレクトしているアイテムを単体で見るとかなり方向性が変わったように見えるんですが、全体としての軸はぶれていないということですか?


岩佐:もちろんそのつもりです。ブランドの世界観は大切にしながらも、あくまでもコーディネートを重視したセレクトをしており、加えて、カラーでもシーズン性を感じて頂く。それが僕たちのバイイングスタンスです。



ということは、色としても独自の打ち出しがあると。


岩佐:はい、まずはトレンドとして各ブランドが提案しているブラウン系ですね。少し先の話になりますが、2016年S/Sシーズンはベージュ、ライトブラウンなどのサファリライクなカラーがトレンドでして、それに繋げるものとして僕達も注目しています。中でも、落ち着いた渋みを感じさせるダークトーンのブラウンを中心にセレクトしています。

高階:更に、トレンドというよりは既にキーカラーになっているブラックにも引き続き注目しています。加えて、モノトーンのスタイリングに幅を持たせる為、こっそりとダークグレー・チャコールグレーのセレクトも増やしていますので、正直あまり流行っていないのですが上手く使って頂きたい色目ですね。



なんとなく難しそうな気がしますね・・・。例えばどんなカラーコーディネートがお勧めですか?


岩佐:最もお勧めなのはブラウン×ブラックのコーディネートですね。今日の僕のスタイリングがまさにそれなんですが、ブラウンのジャケットにブラックのタイを合わせています。そこに少し太めのパンツを合わせたり、クルーネックのスウェットやニットを合わせても雰囲気が出ますね。

画像02



確かにちょっと新しい雰囲気がしますね。その他ですとどんな感じがありますか?


高階:これは色ではないですが、セットアップスタイルにも注目しています。各ブランドで積極的にセットアップをオーダーしておりまして、スーツスタイルには無い軽さとリラックス感を提案しています。先日WEBにアップして早速ご好評を頂いているSOLIDOmandoをはじめ、これから入荷してくるエクスクルーシブファブリックが抜群の存在感を放つTHE GIGI、ジャージ素材中心にクリーンな雰囲気が漂うCRUNAあたりが象徴的ですね。そういったものにネクタイやボウタイでタイドアップして頂いたり、こちらも同様にスウェットなどを合わせて頂くと雰囲気が出ると思います。



その他にお勧めアイテムはありますか?


岩佐:実は巷ではチェスターコートの次の一手としてステンカラーコート(バルカラーコート)が注目を浴びています。もちろん僕達もしっかりオーダーしていますが、実はもっと注目しているアイテムがありまして、それがダウンジャケットなんです。僕たちが注目している中にスポーツミックスやハイストリートというような、クラシックなスタイルにスポーツやストリートのエッセンスを加えたスタイルがあるんですが、それにピタッとはまる冬のアイテムがダウンなんです。

高階:HERNOに別注をお願いしたフーデッドコートは僕達が最も力を入れているアウターですし、今まではWEBのみでの取り扱いであったDUVETICAも久々にgujiのラインナップとして店頭に並びますし、引き続き継続しているTATRASMACKINTOSH、少しアウトドアの空気も感じさせる新規ブランドHOLUBARなど、過去最高に充実したラインナップになっています。

画像03



話を伺っていて、凄く充実していると感じますし、非常に楽しみなシーズンになりそうですね。


岩佐:そうですね、是非ご期待下さい。きっと裏切ることはないと思います・・・。

高階:世界中であまりにもオーダーが入らず、凄く格好良いのになぜか僕達だけオーダーで、勝手にエクスクルーシブ扱いといいますか、別注扱いになったある意味スペシャルなアイテムもちらほらありますので、こういった裏話も楽しみにして頂けるとい嬉しいです!!



そんなこともあるんですね・・・。本当に変なデザインではないんですか?


岩佐・高階:もちろんです!!安心してください、凄く格好良いですよ!!



ということで、約1時間にわたり思いを語って頂きました。
そもそもなぜMDとバイヤーを兼任しているかといいますと、gujiでは一部を除きほとんどオリジナル商品を生産しないというスタンスの為、バイイングを行う際にしっかりと商品構成の絵が描けていることが必須になります。
ほぼすべてをセレクト商品で構成する為、各アイテムの数量やテイスト、色のバランスなどかなり綿密に計算してオーダーしているという両氏のプライドが感じられ、非常に興味深い座談会になったかと思います。
また折を見てお二人には語って頂きますので、2015秋冬シーズンも是非ご期待下さいね!!


[gujiバイヤー陣が今シーズンのトレンドの流れやテーマを語るバックナンバー]

vol.1

gujiバイヤー座談会 vol.1

vol.2

gujiバイヤー座談会 vol.2

vol.3

gujiバイヤー座談会 vol.3




PAGE TOP