2019FWシーズンから取り扱いをスタートした『COMOLI Norlha(コモリ ノラ)』
国内ブランド中でも独自のポジションを確立している『COMOLI』と世界で最も上質なヤクを使用したテキスタイルを生産する『Norlha』との共作についてデザイナーである小森 啓二郎さんにお話を伺うことが出来ました。
バイヤー岩佐&高階(以下、岩佐、高階):今日はよろしくお願いします。
小森啓二郎氏(以下、小森さん):こちらこそよろしくおねがいします。
高階:一度gujiに来ていただいたことがあるんですよね。
小森さん:そうですね、大阪店が地下にあった頃にも伺いました。
京都のお店にも行ってライブ感のあるお店だなと。
高階:けっこう来ていただいてたんですね、ありがとうございます。
小森さん:その何年か後に浜中さんと知り合って今の大阪店にも行きました。
こういうお店があるんだという驚きと当時よりもバリエーションがひろがってましたよね。
高階:そうですね、品ぞろえの幅は広がってると思います。
小森さん:実際に拝見してうちの服を先入観無く魅せてくれそうかなと思ったんで、その場で浜中さんに電話しましたね。
※浜中さんは弊社でもお世話になっている商社、オカベアンドパートナーズの敏腕営業マンです。
高階:その話本当だったんですね、、、、浜中さんが盛ってるのかと思ってました。
浜中さん:いやいや盛ってないですよ。ね、本当だったでしょ。
一同:笑
高階:すみません、ちょっと話がそれました。(汗)
あらためて聞くのもなんなんですが、まずはCOMOLIのコンセプトを教えてもらえますか?
小森さん:ん〜どうなんだろう。
着たいものを作るというか、ベースになっているのは自分が見てきた好きな物ですね。
高階:なるほど。
小森さん:世の中には無い物でどの国にも属していない感じというか。
自分がひょろひょろなのもあって、それを隠すためにゆったりとした服が多いですね。
居心地がいい感じというか、そういう要素は大きいかもしれないです。
高階:デザインのインスピレーションになるものとかはあるんですか?
小森さん:凄く良い原料をシンプルにゆったりしたアイテムで表現するというのが根底にありますね。
例えばLoro PianaやBrunello Cucinelliとか。
岩佐:誰もが知る最上級ですね。
小森さん:ですね。それを思いっきりカジュアルにしたい感じですかね。
高階:それはCOMOLIを始める前からですか?
小森さん:そうですね。
EDIFICEを辞める前くらいのシーズンに自称Cucinelliみたいなスケーターの服を作ったんです。もちろん、そこまでのクオリティにはいかなかったけど。
で、その時にDIOR HOMMEが出てきて時代とのギャップを感じましたね。僕自身はライトグレーとベージュに特化したアイテムで良いと思ってたんで。
岩佐:あの時代はみんな黒くてピタピタでしたもんね。実際かなり流行りましたし。
小森さん:そうなんです。僕は最高級のクオリティをゆるく着たかったんですよね。
岩佐:そう考えると当時、Cucinelliをそういう見方で捉えていた人は中々いなかったですよね。
高階:ちなみに小森さんはドレスとか着られないんですか?
小森さん:ドレスは似合わなかったんですよね、罰ゲームみたいになっちゃう。
一同:笑
小森さん:街並みなんかも含めて外国の方のほうが似合うかなと。
高階:それはたしかに。
小森さん:プロダクトとしては好きなんですよ、ファッションとして嫌いなジャンルは無いですね。
高階:実際、COMOLIを見てるとそういう偏りみたいなものは感じないですもんね。
高階:今回Norlhaの素材を使うきっかけはなんだったんでしょう?
小森さん:元々はカシミア100%の服を作りたいと思ってたんです。それが2000年の初めぐらいからかな。
当初はJohnstonsとかでやりたかったんですが、なかなか繋がりもなく、なんとなく思い続けてるだけでした。
で、浜中さんのショールームに遊びに行ったときにNorlhaが置いてあって、この素材良いな、、、、これで洋服を作りたいなというのが始まりですね。
浜中さん:僕が紹介しようという感じではなくて、小森さんが偶然見つけた感じでしたね。
高階:なるほど、長年探されていた中でNorlhaと出会ったということですね。
高階:ちなみにNorlhaのどういうところに惹かれたんですか?
小森さん:良い素材の仕上げ方って、『どうだ!!』っていう感じのものが多いじゃないですか。
例えば毛足を思いっきり出してる感じとか。
岩佐:良い悪いは別として、そいうのはありますね。
小森さん:でもNorlhaは凄く良いのにシンプルで欲張ってない感じがしたんですよね、フリンジの感じなんかもちょうど良かったですし。
だから大げさな雰囲気にならず、サッと羽織って良い感じになるようにストールに袖だけ付けたようなデザインにしたんです。
高階:その流れで小森さんが思うこう着て欲しいみたいなのはあります?
小森さん:ん〜あんまりないですかね。
旅行なんかにも持っていきやすいですし、どうにでも着れちゃう感じなので。
それこそ色々なタイミングで合わせて頂ければなと。
高階:着用者にゆだねる感じですね。
小森さん:ですね。
ちなみにインラインでも、もうちょっとボソッとした生地でやってます。同じ形で。
高階:インラインは9月にオープンする直営でも取り扱いして、COMOLI Norlhaはセレクトショップで展開という感じで住み分けするんですね。
小森さん:そうですね、そうなります。
ちょっとうちの展示会でやるにはもったいないかなというのと、埋もれちゃう可能性もあったので分けてます。
高階:話は変わりますが、小森さんが影響を受けた人はいらっしゃいますか?
小森さん:う〜ん、人では無いんですけどドレステリア時代の服作りには影響を受けてますね。
あとは、最近になってようやくヨウジヤマモトさんの良さが理解できるようになってきました。
なんというかデザイナーとしてやっていることが理解できるようになってきたというか。
高階:なるほど、デザイナーさんならではの視点でということですね。
小森さん:そうですね、あとは宮下貴裕さんとかですかね。
岩佐:TAKAHIRO MIYASHITA TheSoloistですね。
小森さん:はい、なんか気になる人ですね。
高階:直営店がオープンしますが将来的な展望はどうですか?
小森さん:そうですね、東京に直営が出来て今後は自然と関西や九州なんかにもお店が出来れば良いなと思ってます。
岩佐:あくまでも自然にというところが良いですね。
小森さん:出店のお話は自体はあるんですけどね。
あとは、媚びない濃い個店さんが好きなのでそういう所で取り扱って頂けると嬉しいですね。
恐いお店は嫌だけど(笑)
高階:それは確かに(笑)
小森さん:なんかぼやけた話になってしまってすいません。
岩佐:いえいえ。
小森さん:中々慣れないんですよね、こういうの。
高階:こちらこそ進行が下手ですみません、今日はお話を伺えて良かったです。
小森さん:今日はありがとうございました。
岩佐&高階:ありがとうございました!
編集後記
実は今回、バイヤー陣含め全員が初めて小森さんにお会いするというなかで商談が押してしまい、一部メンバーの到着が遅れてしまうという失態からスタートしたインタビューいかがでしたでしょうか。(汗)
小森さん、浜中さん、その節は本当にすみませんでした、、、、
バイヤー高階の言った、『こう着て欲しいとかあります?』という質問に対して小森さんが『ん~、あんまりないですね。』という答えからもわかる通り、着こなし自体はその人その人に委ねるという、いい意味で拘らない感じが人柄からも伝わってきました。
弊社ではbalconeカテゴリーでの取り扱いではありますが、そこに拘らず色々なブランドをミックスして着て頂きたいなというのが、今回のインタビューでより鮮明になったので是非、お客様にも自由なテイストで『COMOLI Norlha』を楽しんで頂きたいなと思います。