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「そうだスーツ、着よう。」でお馴染み?浅葱色(あさぎいろ)のオリジナルネクタイを製作中の田野です。
浅葱色?
聞き慣れない名前の色ですが、実は知る人ぞ知る日本の伝統的な色なんです。
調べてみますと、浅葱色とは、蓼藍で染めた明るい青緑色のことです。浅葱とは薄い葱の葉にちなんで色で、平安時代にはその名が見られる古くからの伝統色とあります。
ついついお土産など買ってしまったわけですが・・・、実は日本人ならその色の名前は知らなくても、よく目にする浅葱色は我々にとっては馴染みのある懐かしい色。
その浅葱色のオリジナルネクタイを何故?
ここ最近の色の傾向としてよく言われているのは?そう、中庸なニュートラルカラー。
浅葱色は青のような緑のような、ちょこっとグレーがかっているような、まさに中庸な色ですので、今の気分にぴったりです。
もちろんそれも浅葱色のネクタイを作ろうと思った要因ではありますが、それがきっかけではございません。
ちょっとしつこいですか?(汗)
前回の「そうだスーツ、着よう。」でもお話しさせて頂きましたが、今シーズン弊社は京都ハンナリーズのオフィシャルパートナーとして、その熱き戦いを応援することになりました。
そう、浅葱色はハンナリーズのチームカラー。
ドレススタイルを継承、発展させていきたい弊社がハンナリーズを応援するとなりますと、浅葱色のネクタイを作ることは言わば必然。
みんなで浅葱色のネクタイをしてハンナリーズの必勝を願いたいと思っていますので、是非ご期待下さい。
というわけで、いつもの脈略のない話からスタート・・・と思いきや、ほんの少しだけ関連性のある今回の「そうだスーツ、着よう。」は、僕が愛して止まないブルーにつきまして。
記憶が曖昧なんですが、いつぞやの「そうだスーツ、着よう。」でも申し上げたかも知れません。
何を隠そう、僕はブルー系が大好きなんです。
飛行機はJALよりANA派、ガンダムは赤い彗星のシャアより青い巨星のランバ・ラル派、そして銀行は子供の頃から京都信用金庫、ただし野球はドラゴンズよりジャイアンツ。
ですのでハンナリーズも僕の目にはとても優しく好意的に映ります。
Belvest(ベルベスト)はもちろんイタリアを代表するジャケット、スーツファクトリーですが、この少しグレーがかったブルーはどことなくフレンチを思い起こさせる素晴らしいブルーです。
世界一のブランドと言っても誰も疑わないフランスのあのブランドのジャケット、スーツはこのBelvestが作っていますので、イタリアのブランドでありながらも、どこかフランスのエスプリが効いた雰囲気が最高ですね。
同じくBelvestですが、一方こちらはいかにもイタリアの艶を感じさせる素晴らしいネイビーブルー。
先程申し上げました通り、あまりにイタリアらしい艶やかな色よりは少し中庸な色がトレンドではありますが、やっぱりイタリアっていいよなぁ・・・とつくづく感じさせてくれる最高にテンションの上がる色です。
イタリアを代表するどころか、イタリア最高のミル(織物工場)と言って過言ではないCARLO BARBERA(カルロバルベラ)。
生地を織るのに欠かせないのは綺麗な水源。
アルプス山脈の麓に位置するビエラ地方に本拠を構えるCARLO BARBERAの生地は質感も色も最高です。
実はこの生地、ラベルこそCARLO BARBERAですが、CARLO BARBERAの幻のデッドストック糸を使って先代のオーナCORRADO(コラッド)氏が立ち上げたミル、LANIFICIO CORRADO(ラニフィーチョ コラッド)が同じレシピで織り上げた幻の生地です。
ちょっとややこしいですが、背景を鑑みるとCARLO BARBERAの生地と言って差し支えないかなと。
ちなみにこのLANIFICIO CORRADOも本拠はビエラ。
他のどの国にもない様な、これぞイタリアのネイビーです。
同じくCARLO BARBERAの幻の糸でLANIFICIO CORRADOが織り上げた生地ですが、先程のネイビーと比較しますとほんのり青い。
ところで、ドレスクロージングのトレンドは無いようで少しだけございます。
極めて緩やかなトレンドの変化です。
もちろんドレススタイルにおいてトレンドを意識し過ぎることなく、自分のスタイルにほんのりエッセンスとしてトレンドをプラスするくらいが丁度いいかなと思いますので、あくまで参考にですが、ネイビー系はほんの少しだけ青くなっている傾向にあります。
ほんのり青いとスタイルは華やぎますし、ブルー系のグラデーションでコーディネートされると更に際立ちます。
世界中の多くの方に愛されるLoro Piana(ロロピアーナ)、しかもカシミヤ100%のネイビーは上品なのに艶やか、これぞイタリアを代表するネイビーです。
そういえば、僕が初めてアマルフィを訪れた時に海の色に衝撃を受けましたが、夕暮れの地中海はこの色でした。
日本人の僕のDNAには存在しない色、ネイビーという一括りにはできない絶妙な色、多分これがネイビーというよりアズーロなんだろうなと思いました。
色にはナショナリティーがあると思います。
その代表的な色が赤では無いでしょうか。
イタリアの赤、フランスの赤、イギリスの赤はどことなく違いますし、欧米の方からは日本の朱色は見たことがない素晴らしい赤だと聞いたことがあります。
ネイビーもまた然り。
こちらはイギリスを代表するFOX BROTHERS(フォックスブラザーズ)のネイビーフランネル。
イタリアの艶やかなネイビーと比較するとどことなく厳かに感じるのは僕だけではないはずです。
以上、いかがでしたでしょう?僕が愛して止まないブルー、ネイビー特集。
予てから僕は日本人には日本人の、イタリア人にはイタリア人のDNAの記憶の奥底にある色があると思っています。
例えば先程の朱色と同様に、漆黒の黒は欧米にはない独特の黒で、僕達にとっては馴染みの色でも欧米の方にとっては信じられないくらい見たことのない素晴らしい色だと聞きます。
と同時に僕達に馴染みのないイタリアの色は、とても目新しくて僕達日本人にはどうしても魅力的に感じるのだと思っています。
特にブルー、ネイビー系にそれを強く感じるのは、イタリア人がブルー系をこよなく愛しているからでしょう。
兎にも角にも何を申し上げたかったかと申しますと、まずイタリアのネイビーもイギリスのネイビーも、その他の国のネイビーもそれぞれ素晴らしいということ、次に日本には日本の世界に誇れる素晴らしい色がたくさんあるということ、そして日本の伝統的な浅葱色をチームカラーとする京都ハンナリーズを応援する!ということでした。
それではまた次回!ciao!ciao!