garoh tie01 加賀 健二の場合
2023S/Sシーズンよりスタートしたguji初のプライベートレーベル"garoh(画廊/がろう)"。
「ニュークラシック」をコンセプトに掲げ、既存のクラシックとは違った新たな価値を生み出す上で共に取り組んで頂いたクリエイターの方にインタビューし、それぞれの思いを語っていただく連続対談企画、第八弾は加賀 健二氏にご登場いただきます。
" garoh tie01"について様々なことを伺いました。
ニュークラシックのコンセプトについて
加賀 健二氏(以下加賀氏):ニュークラシックという新しいクラシックのコンセプトについて、とても面白いなと感じました。
それに基づきネクタイを作成するにあたって私は敢えてヨーロピアンの雰囲気を残したいと思い、フィレンツェとパリの60年代の雰囲気・俳優でいうとアランドロンのようなイメージをgarohのニュークラシックに取り入れたら新鮮で面白いのではないかと考えたんです。
ringバイヤー宮本(以下宮本):仕上がってきたネクタイ、凄く雰囲気がありますよね。
加賀氏:他にはない一本でとても素晴らしいものができたと思っています。作りのベースとなるプリント素材ですが、ネクタイ用のシルクを使用せずにスカーフ用のシルク100%の生地を採用しているのが特徴です。その素材を7cm幅セッテピエゲで仕立てるのは弊社でも初の試みでした。
ネクタイという概念から一歩出てアクセサリーとしての新しいコンセプトで提案しました。柄もポルカドットよりやや大きいドットを採用し、白ではなくホイップクリームのような色合いで新しさを出しているのもポイントです。
gujiアシスタントバイヤー小林(以下小林):僕もネイビーにホイップクリームのコンビネーションに惹かれました。
加賀氏:懐かしくもあり、新鮮で今の気分ですよね。
宮本:今回のネクタイはどのような装いに合わせるのがいいでしょうか。
加賀氏:シンプルにネイビージャケットにサラッと巻いて頂くのが良いと思います。
ネクタイ作りにおいて大切にしていること
加賀氏:ネクタイを手に取って巻いた時に喜んで頂きたいのはもちろんですが、2年3年と経った時にじわじわと良さを感じてもらえるように心掛けています。
売れる売れないに関係なく、よりネクタイを楽しんでもらえるように素材・色柄は常に新しさや面白さを感じていただけるような提案をしているつもりです。
小林:色使いや柄など他では味わえない新鮮なネクタイを毎シーズン提案して頂くので、いつも本当に楽しみにしています。
加賀氏:師匠であるフランコミヌッチさんには売れるものは作るなと言われ続けてきました。売れるようなもの作ったら怒られました。(笑)
宮本:さすがミヌッチさんですね。(笑)
加賀氏:昨今のライフスタイルの変化により、物事において全てが満遍なく満たされる時代ではなくなってきているからこそ、ネクタイ作りにしっかりと真摯に向き合いサンプルも作成してお客様に見て頂けるように作っています。
小林:毎シーズンこれだけサンプルを作成されているブランドは見たことがないです。
加賀氏:そうでしょう。娯楽や車などに使わずネクタイ作りにお金をかけてます。(笑)
物作りをする上で参考にしていること
加賀氏:1930年〜1940年のデザインやフランスのファッションシーン、デザインからインスピレーションを受けて物作りをしています。ネクタイ屋目線からでなく洋服屋目線からネクタイを作成しているのも私ならではだと思います。その洋服に合うネクタイを作りたいという思いで作っています。
小林:イタリアではなくフランスなのですね。
加賀氏:そうですね。パリコレも見ますしフランスのファッションシーンは常に動向を追っています。
今後garohで作成して頂くネクタイについて
宮本:次のシーズンはどうでしょうか?
加賀氏:いいものできましたよ。サンプルも仕上げたのでご期待いただければ。