guji Monthly Journal #18 / 2022fall winter
寒くなるとレザーが着たくなる話
ここ数年のビッグトレンドを経て、定番として多くのブランドが提案しているレザーブルゾン。
古くから男性のワードローブを代表するアイテムで、一着手に入れると長く愛用できることから長い目で見たコストパフォーマンス面でも優れています。
gujiではいくつかの定番ブランドと、今シーズンから新しく取り扱いをスタートしたニューブランドがありますので、今回のMonthly Journalではおさらいをかねてご紹介いたします。
イタリアらしいレザー自体の上質さ、男性らしい色気、上質さを伴ったエレガンス全てが揃ったブランドばかりですので、お気に入りの一着探しにお役立ていただければと思います。
まずはこのブランド、取り扱いをスタートして10年以上経つ大ベテランです
Cinquanta(チンクアンタ)はイタリアを代表するレザーファクトリーブランドで、日本人の体型に合わせた型紙を用い、上品でエレガントなディティール使いを得意としています。
あくまでも大人が上品に着られるバランスが貫かれていて、無骨さやタフさは控えめに。
過度なデザインは取り入れず、シンプルで普遍的、ルーツを大切にしたデザインを採用していることでも知られています。
gujiでの定番はシングルタイプの『H502』とダブルタイプの『H518』。
それぞれ表革のラムレザーと裏革のゴートスエードをオーダーしていて、シーズンによってチョイスする色に変化をつけています。
永遠の定番、普遍的なデザインの『H502』
スリムシルエット、スタンドカラー、センターダブルジップ、ポケットはパッチは用いず全て玉縁、袖先ジップ仕様。
実用的なデザインでありながら、装いはシンプルに。
コーディネートは幅広く、カジュアルなチノやデニムから、ドレス系のウールパンツまでカバーする汎用性の高さが魅力です。
流行りを追わない代わりに廃れることもない、レザーを一着選ぶならまずはコレかな・・・という完成度がありますので、よりクリーンさを求めるなら表革で、気軽さやカジュアルさを求めるならスエードで、という感じです。
どちらの素材を選んでも、間違いなく長く着て頂けるはずです。
【H502 ラムナッパレザーをもっと詳しく見る】
【H502 ゴートスエードをもっと詳しく見る】
トレンドのダブル『H518』
前回のMonthly Journalで「今またダブルブレストが活気づいている」とお伝えしましたが、それはジャケットだけでなくレザーでも当てはまる話です。
Cinquantaが提案するダブルブレストは幾つかモデルがありますが、その中でデザインのボリューム感とダブルブレストとの相性、全体が上品に、大人が日常的に着られる一番のバランスと考える『H518』モデルをgujiではセレクトしています。
スナップ付きのカラー、ポケットは玉縁、フロントダブルジップ、サイドアジャスターはややコッテリめのダブルで。
シングル同様そぎ落としたディティールというのも悪くないですが、折角のダブルなので、仰々しくならない程度の"盛り"はあっても良いのかと。
シルエットはシングル同様スリムなので、こちらも合わせるアイテムを選びません。
極論を言うと「シングルと同じ合わせ方で大丈夫」でして、レザーのデザインが違うことから印象が少しタフに、ハードに見えるイメージになります。
それでも大人に相応しい品格を保てるバランスに仕上がっていますし、この辺りの塩梅の上手さにCinquantaのセンスの良さが現れています。
【H518 ラムナッパレザーをもっと詳しく見る】
【H518 ゴートスエードをもっと詳しく見る】
まだまだ無名ですが、物作りは間違いなく本物です
HEDIN(エディン)、ご存じない方も多いとは思います・・・が、一度袖を通すとわかる上質さとシルエットの美しさ。
ダブルライダースをここまで上品に、エレガントに作ることが出来るブランドは珍しい・・・といいますか、ほとんどないかと。
ちょっと大げさかもしれませんが、シンプルなディティールを採用しているモデルですと、このブランドが一番完成度が高いかも・・・と考えているくらい。それだけ突出して出来が良いんです。
フラッグシップモデル『FEBE』は非常にシンプルなデザインです。
誤解を恐れずに言うと「どこにでもありそう」なわけですが、だからこそパッと羽織って違いが出ることが凄いんです。
「ありそうでない」というアイディアではなく、「普遍的なデザインを踏襲しつつ、明らかに違う美しさを追求する」というブランドの姿勢とプライドが垣間見える仕上りですね。
特に肩のライン、アームへの流れが素晴らしく、レザー特有のゴツゴツしたムードが皆無。
スリムなシルエットも相まって、非常に上品でスマートな見え方になります。
使用するレザーも全て厳選された最高級グレードのものを採用しており、「ダブルは今まで挑戦したけどあまり似合わなかった」という方の概念もコロッと変えてしまうパワーがあります。
【FEBE カーフナッパレザーをもっと詳しく見る】
いつかはこのブランドを・・・と考えられている方も多いのではないでしょうか
Maison Margiela(メゾン マルジェラ)がMaison Martin Margiela(メゾン マルタン マルジェラ)時代から長きにわたって定番としてリリースし続けているライダースブルゾン。
アイコニックな「ハの字」のフロンドジップが特徴の5ジップライダースです。
こちらについては特に解説や詳細説明も不要なほどデザインが浸透しているモデルかな・・・とは思いつつも、レザーブルゾンのご紹介となると、ラインナップに加えないわけにはいきません。
文字通り、カタカナの「ハの字」の様に配置されたジップが特徴ですね。
ここに大きなジップポケットをセットしているので、逆に細かなポケットを付けることが出来ず、またその必要もなくといった感じのデザインです。
バックにはこちらもアイコンの4つ糸ステッチ。これはリリース当初はなかったものですが、繰り返しリリースされる中でつけられるようになりました。
袖先にジップも深くまで開くようになっており、フロントとの親和性も考慮。
シルエットは細すぎず緩すぎず、レングスもライダースとしてはスタンダードです。
マイナーチェンジを繰り返しつつも、大きなデザイン変更がないことから一生物のライダースとして愛され続けている名作ですね。
【5ジップライダースをもっと詳しく見る】
イタリアが誇るトップクオリティのファクトリーブランド
このクオリティのブランドは新しく出てくることはほぼ無いんですが、奇跡的というんでしょうか、久々に登場しました。
ALTACRUNA(アルタクルーナ)の誕生は2020年になりますので、はっきり言って歴史は浅いわけですが、物を見ると「積み上げた歴史は数字の増加だけで、クオリティとは関係ないこともある」ということがわかります。
日本に入ってきて間もない現段階で既に知る人ぞ知るといいますか、早い人は注目し、入手されていることからも製品の素晴らしさが窺い知れますね。
シングルライダースモデル『I2202/83359』、非常にベーシックです。
gujiがセレクトするデザインは基本的にはミニマル志向といいますか、過度な装飾はなく素材や縫製のクオリティを重視する傾向にありますが、その際たる例がこちらですね。
スエードの色出し、タッチの良さ、縫製の美しさ、コバ処理の滑らかさなど全てが芸術的で、プライス的にもかなりプレミアムですが、十分その価値がある・・・どころか、はっきり言ってもっと高くても良いくらい。
ブランドがまだ無名ということでこのプライスですが、今後人気と知名度が上がるとどうなるかわからない・・・と、セレクトしているこちらが心配になる程です。
【I2202/83359をもっと詳しく見る】
そんな中で驚くべきスピードで完売したのがこのムートン
『I2202/83757』モデル スタンドカラームートンブルゾンは、新進気鋭の無名ブランドとは思えないスピードで完売しました。
はっきり言って「このクオリティがWEBサイトで伝わるのかな?」と思っていましたがそれも杞憂でして、本当に「あッ」という間の完売劇。
近年この価格帯でここまで早く反響があったアイテムはありませんでしたので、あらためて"物の良さに勝るもの無し"という感じ。加えて、ご覧頂いているお客様の見識の深さにもあらためて驚かされた次第です。
革の継ぎは最低限目立たない部分に留め、全てデザインとして成立するようにコントロールされています。
羽織った時の印象はとにかく「軽い」、そして「ラグジュアリー」。
毛足は短く刈り込みつつカジュアルになり過ぎない絶妙な塩梅で、表面(実際には毛部分を内側に使っているので皮面)の加工も実に丁寧でスムース。
ナッパ加工のムートンは仕上げのクオリティの差が如実に出ますので、このクラスはトップ中のトップです。
袖先は折り返すことでボアの露出をコントロール可能。
お好みでボリュームを出すことがでるのはムートンブルゾンとして定番のディティールですね。
とにかく羽織った瞬間に違いを感じて頂けるスペシャルな一着です。
【I2202/83757をもっと詳しく見る】
追加生産決定しました
ということですぐに完売してしまったわけですが、不幸中の幸いか完売時期が凄く速かったので、追加生産が可能になり、順調にいけば(あくまで順調にいけば・・・ですが)11月下旬に再入荷することが決まりました。もし入荷連絡をご希望でしたら店舗まで直接お電話いただくか、guji online shopまでお問い合わせください。
最後に
久しぶりにレザーブルゾン・ライダースについてご紹介したわけですが、やっぱり革製品は見ていてテンションが上がりますよね。
この辺りは男性特有かもしれませんが、長く愛用して自分だけの味を出したレザーって、クタッとしていても本当に素敵に見えます。
一時に比べるとシーンが落ち着き、本物のブランドしか生き残れなくなった今だからこそ、自然と選択肢が少なくなり選びやすくなります。
gujiでは全てバイヤー陣が自信をもってセレクトしていますので、是非一度店頭でお試し頂ければと思います。
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