
こんにちは。 gujiの煌Kです。
とうとう10回目。
月2回ペースをなんとか維持していますが、このままだと月1回になりそうな…汗
やれる限り、楽しみながら続けて行こうと思っています。
このコンテンツは、何処までも僕個人の主観ではありますが、嘘偽り無い各ブランドの営業の方のお助けというか熱い思いがあってこその成り立っています。
また、改めてお話を聞くことで、僕自身も新しい発見や物に対する見方が変わります。
この場を借りてお礼をお伝えします。
ありがとうございます!
今回は、guji balconeで展開のBUZIGAHILL(ブジガヒル)です。
スタッフからの声もあったのですが、見るだけでは分からない、伝えるべきブランドだと思い、こちらのブランドにしました。
この手帖で何度も伝えていますが、僕自身はドレスもカジュアルもセグメントを付けて洋服を見ていません。
今やメンズやレディースの境目も無くなって来ているかもしれません。
確かに、それぞれの違いはあります。
ただ、そこには日本人特有の固定観念や決めつけも多くあると思います。
とは言え、男性や女性の作り手の方と多く接することが出来るようになった今、誰一人そのセグメントを感じる人はいません。
だからこそ、新しい物が生まれ、その新しい物に人は惹かれ、それが当たり前になっていくんだと思います。
今回のBUZIGAHILLは更にそのセグメントは無いと言って良いでしょう。
そして、時代背景や社会情勢からなり得るブランドであり、ファッションを越えてアート的な要素もあり、世の中に伝えていくというより、"訴えて行く"ブランドではないでしょうか。
僕自身も、その説明を受けた際、新たな感覚が生まれ、是非gujiとしても"訴えて"行かなければいけないと思い、展開に踏み切りました。
2024年の春夏の第106回PITTIにも登場し、業界を問わずファッションに関わる者達に新たな刺激を与えてくれました。
BUZIGAHILLが生まれたウガンダには世界中から「寄付」として日々大量の中古衣料品が届き、それらの多くは実際には着られることなく「ゴミ」として廃棄されています。
さらに、破格で取引される中古衣料品が飽和することで、同国のファッション関連工場は立ち行かず、産業そのものの発展を妨げていることが大きな問題になっています。
ウガンダ共和国は、地元の繊維産業の発展を目的に2023年9月に古着の輸入を禁止しましたが、同国にはそういった輸入古着の販売で生計を立てている事業者もまだ多く、完全な規制はできていないという実情もあるみたいです。
そんな背景がある中で立ち上がったのが、BUZIGAHILLデザイナーのBobby Kolade氏。
ベルリンのヴァイセンゼー芸術大学でファッションデザインの修士号を取得した後、Maison MargielaとBALENCIAGAのデザインチームに所属しました。
独立後2022年にBUZIGAHILLを立ち上げ、様々なプロジェクトを通して同国の衣料品のまつわる社会問題について発信を行っています。
常に先進国から多くの古着が送られ、彼らの日常に入り込み、洋服の価値が下り、地元のアパレル産業はそのほとんどが廃業になってしまうほど。
使えないものがグローバルノースから送られてきて、焼却などできない状況でどんどん環境を汚染していっています。
営業の方が、知り合いツテでBobby氏に出会い、ウガンダ出身と聞いて驚き、見たことの無い様々な商品が並んでいる中で、これこそ唯一無二と言って良い商品達のパターンワークを含めたセンスに更に驚かされたそうです。
また、その背景を知り、いつもの目線とは違う目で見ることで、より深くハマっていったそうです。
日本は今や物に溢れています。
ただ、高度成長期のような物の足りなかったフォーマットの中で経済活動が行われています。
それに、僕達自身も違和感を感じながら、それはまだ続きそうに感じます。
しかし、いつか時代は変わります。
周りの環境や、ファッションに関わる人数も減り、関わる質も変わってくると思っています。
そんな中で、精神性を豊かにする物や事にフォーカスしたこちらのブランドに出会えたことは、営業の方の人生観に大きな影響を与えたそうです。
デザイナーのBobby氏は、ベルリンの大学でファッションを学び、パリに移り、Maison MargielaやBALENCIAGAのデザインチームで経験を積み、ピンとこなかったらしく、綿の栽培を3年間学んだ後に、同国ではその綿は殆どが輸出され、テキスタイルとして調達出来ないことを知り、新たなブランドの立ち上げを断念したそうです。
その後、同国の社会問題に触れる機会があり、2022年にBUZIGAHILLを立ち上げ、様々なプロジェクトを通してウガンダの衣料品のまつわる社会問題について発信を行っています。
「RETURN TO SENDER(差出人に返す)」
問題になっている古着を利用して、その古着をマテリアルとして利用し、廃棄ゼロのアップサイクルすることで、同国の雇用も創出し、全行程を自社生産し、古着に付加価値を付けて、グローバルノースに送り返すというプロジェクトです。
地場のクリエイターや古着の販売者、工房などとのコラボレーションを通して、地場のサプライチェーンに付加価値を与え、同国のファッション産業を成長させることを目指した活動です。
頭も良ければ、本当に向き合わないと出来ないことです。単純に凄いですよね〜
ここまで聴くと、単なる古着でもファッション服ではないことが良く分かるかと思います。
僕自身も、洋服屋になり、今では販売だけでは分からなかった、一つの物が出来上がるまでを知ることが出来、本当の裏方さんがいるからこそ物は生まれているのだと痛感しました。
また、商売を続けていく上で、避けては通れない事情も多く知ることが出来ました。
それも全てポジティブなことで、何も悲観することはありません。
とは言え、ジレンマみたいなことも多く感じることがあります。
それに目を瞑るだけでは、せっかくファッションに関わった者として損をしているのではと思っていました。
大好きなファッションを仕事にしていることは、大きな強みである反面、凄く酷なことでもあります。。
その中で、自分が少しでも出来ること、会社としても出来ること、色々あると思います。
僕自身は、今の立場で何が出来るかを考えて、今後も働いて行きたいと思っています。
このブランドをバイヤーとしてセレクトし皆様に伝え販売してくことは、今自分に出来ることの一つとして捉えています。
皆様がこのブランドと接して色々と思うことは自由です。
BUZIGAHILLだけでなく、洋服の知識を伝えるだけでなく、物が出来るまでのストーリーなども、店頭やお話できる場があれば、個人的に嬉しく思います。
とは言え、ファッションです。
その背景だけでは、共感は出来ても大切なお金を使って物を購入することは出来ないと思います。
単純に物を見ても、流石ハイブランドでの経験が活きていると思います。
僕のBUZIGAHILLのスタイリングイメージは、古着に見せないことを大きなテーマとしています。
また、balconeカテゴリーは、クラシック、ストリート、モードの融合をポイントに、大人が着れる日常着の提案です。
BUZIGAHILLは全て一点物なだけに、少しの要望をメーカーに伝えられます。
例えば、生地の色の選定や、素材の要望など、、
僕達が提案するスタイルとしては、出来る限りワントーンコーデ。
あくまでも、シンプルにその洋服の雰囲気が伝わるように。
そして、何処か品があるように。
BUZIGAHILLのアイテムは全て一点物で、原産地、素材、製作期間、個別パスポート番号が記されたブランドラベルが付けられています。
それも一つのデザインではないでしょうか。
また、それを付けた洋服を着用することで、自分にしか出来ない一つをなし得ているのかもしれません。
僕は、2026年春夏仕入れの海外出張や東京出張には、これを着て歩きます。
皆さんも、こんな背景のあるファッションを楽しんでみては如何でしょうか。