煌K手帖

こんにちは。 gujiの煌Kです。
今回は時期的にもアウターブランドにしようと考えていまして、インポートブランドを見ていたのですがその中で妙に目に付くブランドが。。
今回は、ringで展開するCOHÉRENCE(コヒーレンス)にしたいと思います。

クリエイティブディレクターの中込憲太郎氏が手掛けるアウターブランド。
「“The wardrobe of legends”
自らの才能によってあらゆる境界を越えていった、伝説的な芸術家たちのポートレートをインスピレーションの源に、COHÉRENCEは独自開発による日本の素材と緻密な縫製技術によって、今、現在における本物を提案します。」

こちらが大枠のコンセプトになります。



僕が出会ったのは何時ごろでしょうか・・
S社時代の大先輩のお声がけがあり、見に来て欲しいと・・
全く無名だったブランドでしたので、逆に何の偏見も無く物を見ることが出来ました。

その時に初めてお会いしたのが中込氏であり、この方からも温故知新を強く感じたことを覚えています。
中込氏の洋服への造詣の深さだけではない幅広い知識。
COHÉRENCEの商品はその知識が詰まっているブランドと営業の方仰っていましたが、まさに“それ”を強く感じました。

仕入れに携わっていると、売れるか売れないかを強く考えてしまいます。
当然商売ですので、それはとても大切です。
また、売れる物がお客様が求めている物と考えれば、全く悪ではありません。

反面、その目線だけで物を見ていると見えなくなってしまう物も出てきます。
ブランドは違えど、良く見るデザインや価格素材などなど、どうしても売れる物を決めつけてしまい、新しいことを生み出す目線が消えて行きます。

「新しく自分達でトレンドを作るんだ!」「こんな面白い商品は他には無い!」という目線。
理想論にも感じますが、それを商売を含めた目線と両立させていき、決定決断をして行くことがとても大切になります。

弊社の仕入れは、その両軸を如何にバランス良く自分の目で判断できるか。
僕が仕入れをしていて弊社代表から一番影響を受けたのはそこではないでしょうか。

そして、このCOHÉRENCEに出会った際もそれを感じました。



さっきまで違う目線での会話をしていた弊社代表が、このブランドを目の前にしてワクワクしながら新しい物を探しに行く目線になっていました。
僕自身はお恥ずかしいですが、その目線に直ぐになれなかった記憶があります。
とは言え、中込氏の説明を聴き着用することで、強く感じる物があり、目線は一気に変わりました。

そんな個人的な経緯もあるブランドですので、何とも言えない気持ちがありますね。



過去の偉人の方の何気ない日常で着用していたコートやアウターを中込氏のフィルターを通して、現代の目線で現代の物に変えて行くのは、古臭いコートが一気に昇華され、誰もが目を引かれてしまうものに変えてしまいます。

そこには多彩な発想源を持ちつつも、元々ファッションに対して持っている概念や考え方の根本があるそうです。
中でもジャン=ピエール・メルヴィル監督が手掛けたノワール・ムービーに特別な思いがあると言います。

「ひとことで言えば、アウトロー映画です。
単に当時のコートアイテムそのものだけでなく、彼らが演じた役の“たたずまい”とでもいうものにインスピレーションを得てきました。
メルヴィルの作品は説明的なセリフを極限に抑え、代わりにわずかな仕草にも意味があります。
各個人のパーソナリティもまた、表情や日常的な動きに服装をも含んだ総合的な印象です。
私にとってそんな“人物の風情”といったものが、アイテムのプランにおける重要な要素のひとつです」



かなりの思想家にも思いますが、様々なデザイナーの方達のお話を聞いていると、洋服に対する思いは様々です。
以前に氏が、
「寒さはあるが日中の日差しが心地よい天気の日に、COHÉRENCEを着て、ニット着て、スカーフ巻いて、ダンスシューズなどラフな靴を履いて、パリのカフェのエントランスでコーヒーを飲む」
こんなイメージですと。

さりげない仕草や表情が日常に溶け込むように、COHÉRENCEもその日常と違和感なく溶け込んでい行く。
こんな、イメージでしょうか。。
素敵ですよね。なんか、、肩ひじ張らない空気感を感じますし、それが洋服にもとても表れています。

シーズンが始まる前に次の作品について簡単なミーティングがあるそうです。
新たに加わるモデルに関しては、その人物のポートレートやストーリーの説明。
素材や色に関しては、ターゲットにするイメージを共有していきます。

慣れ親しんだ営業の方にとってもミーティングの段階では完成品を想像し辛いアイテムも中にはあるそうですが、いざサンプルがあがってくると、きちんとCOHÉRENCEの商品としての品格があるモノに仕上がってくるそうです。


弊社ringがセレクトしている生地は、

「COHÉRENCE Gabardine」
インド超長綿を、糸染め高密度ギャバジンに織上げました。特殊な加工工程をとることで、撥水性がありながら、通気性と原料本来の素晴らしい風合いが生きた仕上がり。

「Melton Jersey」
オーセンティックなメルトンのハリのあるシルエットはそのままに、滑らかなタッチ、軽量性、伸縮性を持たせた。
カシミアを含む三種類のウール原料をオリジナルレシピでミックスし、イレギュラーな番手で紡績したオリジナルヤーン使用。

「COHÉRENCE Weather Resistant Cotton Light」
細番手/超高密度の軽量コットン素材にドライな風合いをもたらす表面の凹凸感と、撥水性能を持つ素材。

どの素材も、昔ながらの生地をそのまま採用するのではなく、現代の環境や必要とされる機能性を織り込み、中込氏がイメージする素材に近づける為のここにしかない工夫があり、まさに別注ファブリックとなっています。

例えば、メルトン素材を昔ながらの素材を採用すれば、それは当時の風合いが出る反面、かなりの重さや固さなど、今の時代にそぐわないデメリットも生まれます。
それを編み込むジャージにすることで、伸縮や編み込みの為の空間が生まれ、重量は軽減され柔らかさも生まれながら、当時の風合いの生地感に仕上げています。

早速その素材の黒色を採用した、FOUFOUUでスタイリングを組んでみました。



「FOUFOU」は、エコール・ド・パリの時代に活躍した代表画家藤田嗣治氏のモデルです。
1928年にドーヴィル海岸を訪れた際のスナップ写真をベースに、ベルト無し、ダブルブレスト、という共通のディテールをもつ当時のカーコートをもう一つのインスピレーションとして生まれたCOHÉRENCEにしかないモデルです。

今回はそれをモノトーンの色合わせをベースに、カジュアルに仕上げてみました。
当時の藤田氏のスタイルとは違いますが、ringのスタイルとしては国を超えて他のセレクトしている物との親和性を活かして行きたいと思っています。



シングルのストレートドレスパンツを少しルーズに着用したgarohのpants05、そこにオーセンティックなローテクスニーカーのScye別注のCONVERSE JACK PURCELLの黒、ニットはこちらもgarohの昔ながらの素材感を意識してカシミアを採用したフィッシャーマンのニット、そしてフランスらしさとイタリアらしさが融合されたgarohのscarf01。

どれも昔ながらのアイテムを合わせているものの、自然と今の空気感が出るのはなぜでしょうか。
それは、その物全てが昔のままでは無く、それを現代のフィットや素材にアップデートさせ発展継承しているからです。

細かなディティールの差が昔とは違い、今はそれを自然と着用出来るようになってきました。


昨今、ringが目指しているスタイルを改めて見直す時期になっております。
勿論、今迄培ってきたスタイルは大切にしながら、本来のトラディショナルでいて日常着だった商品達をアップデートさせたスタイルを目指したいと思っております。

自分達も歳を取り、新たな世代も増えてきています。
同じ物でも、その人達と僕達とでは見え方も違うのだと思います。
また、僕より上の世代の方達とも見え方は違います。
それは当然ですし、どの世代が良いという話では全くありません。

カッコいいと思う物も違えば、そのブランドや商品に対する思いも違うでしょう。
だからこそ、そのどの想いをも活かし、これからに継承発展していくべきに思います。
それは、物も着こなしも・・そして、概念も・・
COHÉRENCEこそ、それを商品で訴えているのではと思っています。

全てのCOHÉRENCEの商品はディレクターの中込氏が手掛けており、その拘りは創造的でありいい意味で変態的です笑
しかし、それら全てがCOHÉRENCEの本質であるといいます。

そんなCOHÉRENCEを今後も世界中の方々に発信していくことで、今後の日本だけでなく世界のファッション業界の考え方やあり方も大きく変わって行くのではないでしょうか。


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