guji Monthly Journal #15 / 2022spring summer
上品に見えるポロシャツって?
ゴールデンウィークも終わり、これからが本格的な夏ですね。
心地良い気候からグッと汗ばむ気候になり、これはもう避暑地に現実逃避を・・・というわけにいかないのが悲しいかな企業戦士の性・・・汗
"クールビズ"と称してノータイのスタイルが認められるようになった今だからこそ積極的にタイドアップしましょう!!という弊社代表田野の企画『そうだスーツ、着よう。』もありますが、今回はビジネススタイルをエレガントに見せるためのポロシャツの話。
強い意志をもってタイドアップ出来る方は是非タイドアップして頂くとして、とはいえやっぱり暑いでしょ・・・な方には是非上品なポロシャツを着て頂きたいというダブルスタンダード企画が今回のguji Monthly Journalになります。
なんだかんだで洋服屋ってダブスタの使いどころが重要になってくるわけでして・・・。
ポロシャツってどれも同じじゃないの?
一言でポロシャツといっても、幾つか種類があります。
最もクラシックで上品に見えるのがニットを用いたニットポロでしょうか。
そもそもカットソー生地よりもニットの方が同じデザインでも品格をもって着られることは昨今のニットT人気でも実証されていますよね。
古くから洒落者ほどニットポロを愛するとい噂もありますので、まずはこちらがエレガントであることに間違いないでしょう。
一番見かけることが多いのがスポーツタイプのポロシャツでしょうか。
台襟がなく、襟腰が低いリブ襟を用いた鹿の子生地タイプが定番でして、スポーツブランド・カジュアルブランドが提案している物のほとんどはこのタイプ。
で、今回gujiがおススメしたいのがドレスタイプのポロ。
簡単に言うと、ジャケットのインナーに着ても襟の収まりが良く、立体的に見せることが出来るように台襟が備えられているタイプです。
台襟って重要?
襟の見え方は男性のスタイリングにとって最も重要な要素の一つです。
紳士のスポーツであるゴルフはプレー中は必ず襟付きのウェアを着ることが義務づけられているほどで、少し大げさに言って「紳士=襟付き、カジュアル=襟無し」みたいなところがあります。
ビジネススタイルにおいて、気候に合わせて装いを軽やかに、カジュアルにしても大丈夫ですよ・・・と謳うクールビズですが、とはいえ仕事は相手あってのことがほとんどなので、品格を失わないように一線は死守する必要があります。
そこで重要になるのがポロシャツの襟。
ビジネス使用では台襟付き、これが鉄則です。
布帛のシャツでも基本的に発想は同じです
シャツでもビジネスで使えるタイプは必ず台襟があります。ネクタイを結ぶので必須ですね。
逆にオープンカラーなどそもそもカジュアル使用を想定している物は台襟がありません。
他にもドレスとカジュアルでは仕様が違う部分がいくつかありますが、最も目立ち、見た目に違いが表れるところは台襟のあるなしです。
あくまでもジャケットを羽織る為のインナーとして存在しているので、Vゾーンのバランスが重要。
台襟があることでジャケットの襟の乗りが良くなりますし、肩傾斜の美しさが際立つというもの。
そういった要素から、ポロシャツでも台襟付きというのがドレスタイプでは必須のディティールになります。
汗をかきやすい時期、いかに快適に着られるか
夏のウェアは快適性能が重要です。
「お洒落は我慢」とはいいますが、出来る事なら我慢せずに過ごしたいですし、必要であれば我慢しますが我慢レベルも出来るだけ低目でお願いしたいのが人情というもの。
毎回クリーニングに出すのもアレなので、家庭で気軽に洗濯したいし、ある程度タフで気兼ねなく着られる生地が良いよね・・・となると、コットンやポリエステルなど素材に違いはあれども鹿の子組織の一択でしょう。
生地として強く、立体的な組織になるので肌に張り付きにくく通気性に優れ、伸縮性を備えつつ型崩れしにくいという特性があります。
ようやく本題に入りますが、今回はgujiでセレクトしている鹿の子素材のドレスポロシャツを比較しつつご紹介いたします。
おススメはこの4ブランド
gujiでご用意している台襟付きのポロ、代表的なブランドはこちらです。
GUY ROVER(ギ ローバー)、Giannetto(ジャンネット)、ZANONE(ザノーネ)、そしてFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポ デ ローレンティス)。
基本的にはタイプは似ているんですが、それぞれ微妙に特徴といいますか違いがありますので、詳しく説明していきたいと思います。
まずはお付き合いが非常に長いブランドGUY ROVERから・・・何ですが、鹿の子ポロは久しぶりのご用意となりました。
姉妹店ringがオープンした兼ね合いで「ドレスがguji・カジュアルがring」みたいな暗黙の棲み分けが生まれましてお休みしていたわけですが、よりgujiのラインナップを盤石にすべく別注アイテムとして戻ってきたというわけです。
生地やシルエットは継続なのでringが取り扱っているものと同じなんですが、襟型をカッタウェイからワイドに変更し、今の時代に合わせて少し落ち着いた見え方になるように変更しました。
同時に裾の刺繍も多色からブラック一色へと変更。クールな印象に仕上がった進化する定番という位置づけの一着になっています。
ちなみに台襟は3cm。スタンダードなバランスで、程良くまとまっている印象です。
gujiが取り扱う鹿の子ポロの新定番的なものが、このGiannettoです。
雰囲気としては従来のGUY ROVERに近いイメージで、程良くスリムなシルエットとイタリアらしいカッタウェイワイドカラーが特徴。
生地の厚みや目の細かさはGUY ROVERと同じくらいかな・・・少しGiannettoが細かいかな・・・くらいの違いですが、ポリウレタンがミックスされているので伸縮性能が高く、キックバックも強めです。
ハードに動く・・・という方がどれくらいいらっしゃるかわかりませんが、より動きに制限がなくストレスフリーなタイプと言えるのではないでしょうか。
台襟は4cm。
GUY ROVERと比べ1cm高くなっており、カッタウェイワイドカラーというディティールも相まって、よりイタリアらしい印象ですね。
しっかり存在感があり、襟がビシッと見えるところがポイントです。
最も強撚でシャリ感があり、ドライなタッチに仕上がっているのがZANONEのアイスコットン。
「アイスコットン」と聞くと「ZANONE」となるわけでして、ブランドを代表する素材になっています。
ちなみに鹿の子生地はイタリアでは「ピケ」と呼ばれまして、日本人的に想像する生地とはやや違う印象を持たれるかもしれませんが、そう呼ぶそうです・・・。
なので、こちらのアイテムのネーミングも「アイスコットンクレープピケ」にしました。鹿の子の方がわかりやすい、伝わりやすいかな・・・と思ったりもしますが、とりあえずピケという事で。
もともとニットを得意としているファクトリーなので、GUY ROVERやGiannettoと違いヨークがありません。
台襟も気持ち低目、前立ても無し、アームもコンパクトというニットに近いイメージで作られています。
フィット感が最も強く、誠実さの中にイタリアの色気を強く感じさせるタイプですね。
最後はFILIPPO DE LAURENTIIS。取り扱いのスタートは上記のブランドの中では後発になりますが、今ではラインナップに欠かせないブランドになりました。
こちらもニットを主軸とするファクトリーブランドなので、台襟はあってもヨークがありません。ZANONEに近い印象ですが、ZANONEに比べると少し襟がしっかりしている印象でしょうか。
スポーティな印象がありつつドレス感もしっかりあり、バランスの取れた仕上がりです。
GUY ROVERやGiannettoが最もドレス寄りと考えると、ZANONEがカジュアル寄り、その中間がFILIPPO DE LAURENTIISというイメージになりそうですね。
最後に
ということで、パッと見は同じに見える感じの鹿の子ポロを4ブランド比較してみました。
出自がシャツブランドなのかニットブランドなのかでデザインが変わりますし、ブランド本来が持つイメージや空気感が的確に組み込まれていて、比べてみると意外と違うな・・・という印象ですよね。
ドレススタイル・ビジネススタイルのカジュアル化から、夏はポロシャツが最も活躍するシーズン。
加えて昨年から高まっているゴルフ需要の後押しもあって、今年のポロシャツ需要は空前の高まりを見せています。
是非いろいろと試して頂き、お気に入りの一着を見つけられてはいかがでしょうか。
guji Journal